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9月7日に釧路空港から関西空港行きのピーチアビエーションの機内で、乗客の男性がマスクの着用を拒否したため、新潟空港に臨時着陸し、男性を降ろした上で、2時間15分遅れで関空に到着するという一連の事件です。
報道では、
「男性が機内で大声を出したり、他の乗客と言い争ったりして客室乗務員の注意を聞かず、威圧的な態度で機内の秩序を乱す行為があったため降りてもらった」と説明しています。
しかし、Youtubeで見る限り、男性が威圧的な態度をとっているとは思えない。
ピーチ客室乗務員は
「マスクは義務ではなく、お願いベースなので着用していないからといって搭乗拒否はできないが、3席空いている場所があるので移動してほしい」
とお願いしています。
男性は、
「お願いは承りましたが、聞くことはできません。せっかく座席指定をしたのだから、移動もしません。」と言っています。
男性の意見は至極、論理的です。
ネット上では、この男性を早速、特定する動きもでています。
そもそも、この方は犯罪を犯しているわけでもないですし、このように一般人を隠し撮りして公開処刑のようにさらしているこの動画主は、この男性から民事訴訟を起こされた場合、損害賠償責任を負う可能性があると思われます。
さらに、男性がTwitterを開設し、男性側の意見を詳しく説明しています。
男性側の意見としては、ピーチ側の見解の相違、事実誤認の不正確な報道に対して正確な情報を発信したいという意図で開設されたようです。
問題点の整理
そもそも誰が悪いのか。何が悪いのか。
結論として私が考えるのは、
「マスク特高警察」による同調圧力が最大の原因であると思っています。
ただ、男性としてももっと「ずる賢く」受け答えをすればこのようなことにならなかったしピーチも乗車前に確認し乗車拒否をすればこんなことは起きなかった。と問題点を結論づけています。
その理由を、順を追って説明します。
マスク拒否なら乗車拒否は合法か?
合法かどうかは、判断がわかれます。
ただ、マスク着用を拒否することに、法的な強制力がないことは確かです。
厚労省のサイトを見てみると
マスクは、あくまでも「咳エチケット」の範疇であるとしています。
いわば、マスク着用はあくまで「お願い」レベルのことであり、
マナー云々はさておき、着用の是非については、個人の裁量の問題です。
ただ、「こんなにコロナが流行っているのに、何故、マスクをしないんだ!」
「みんなに感染ったらどうするんだ!」という問いをされる方も多いですが、そういう方はたいてい、説明しても理解しませんし、自分が感染すかもしれないことも理解していません。
理解できないのか、理解しようとしないのかは、わかりませんが
「はい、する必要もないので、したくないからです。」
「そもそもコロナが流行っている根拠はなんですか?」
という問いをしても「屁理屈抜かすな!」と、言われることがしばしばです。
正しいことを「正しい」と言うことで罰せられるのです。
まるで古代ギリシアのソクラテスや、
「それでも地球は動く」で有名なガリレオ・ガリレイのようです。
このような「同調圧力」という、いわゆる「空気感」というものが
介在すると、途端に話がややこしくなります。
すいません、話がそれました・・・。
ピーチ側の言い分に対しての男性の反論
ピーチ側の説明では、「男性が威圧的な態度で乗務員の指示に従わなかった」とありますが、この男性のTwitterでは、
機内でもそうですが、語彙の選択には注意を払っています。
— マスク未着用途中降機乗客 (@mask_passenger) September 9, 2020
このようにかかれており、Twitterの一連の発言をみても
暴力的な言動は一切見当たりませんので、あながち男性の言っていることは
自己弁護のための詭弁とも言い切れません。
さらに、
2、マスク着用をめぐるお願いについて
— マスク未着用途中降機乗客 (@mask_passenger) September 8, 2020
搭乗後に機内にて客室乗務員よりマスク着用の「お願い」を受けましたが、こちらは「お願いは承るが答えはノーです」と返答してます。ピーチ社の公開情報において機内でのマスク着用は「お願い」事項にとどまることは確認し、その理解に基づいた対応をしています
ピーチ側との意見の相違があってはいけないと事前に「お願い事項」であることも確認されているようです。
これに対して、「他人が嫌がる行為を平気でする人は同じ電車や飛行機には乗って欲しくない」というツイートが来ており、
何が「他人が嫌がる行為」に具体的に該当するのか不明ですし、事件の概要は本アカウントにて説明申し上げています。 https://t.co/ya41Ko2rR8
— マスク未着用途中降機乗客 (@mask_passenger) September 9, 2020
このように返答しています。
ならば、これは不退去罪という刑法にあたるのではないかという指摘に対しても
新潟県警に不退去罪には該当しないことは確認済みです。
— マスク未着用途中降機乗客 (@mask_passenger) September 9, 2020
今回のケースは事由を説明する為の機内滞在ですので、よほど長時間に及ばない限りは成立しないという刑法上の解釈となります。 https://t.co/0rnp1atsdD
このように答えられています。
搭乗時に機内で当初近隣する座席の乗客の方から私に対し不適切な発言がありました。
— マスク未着用途中降機乗客 (@mask_passenger) September 8, 2020
その乗客の方々への中止と謝罪の促しを客室乗務員に依頼しました。
私の尊厳を傷つける乱暴な発言があったことは看過できないことであり、正当な手段および第三者(CA)を介して抗議を行っております
これが本当ならば、退去すべきは、
この男性に対しての不適切な暴言を放ったものであるはずです。
同調圧力に従わないのならば、どんな暴言も許されるというのならば
それは、「大人のイジメ」を許容することになります。
こんな大人は、子どもに「イジメダメゼッタイ」とはいえないでしょう。
さらに、このように
私が係員に伴われて飛行機から退出した時、機内から大きな拍手が起こりました。同調圧力に沿わない人間の排除に喝采を送る乗客たちの姿に、コロナ後の日本社会の縮図を見たような気がします
— マスク未着用途中降機乗客 (@mask_passenger) September 9, 2020
本当にこのようなことが起きたのであれば、
まさに航空会社主導の「大人のイジメ」です。
個人的に、休んでいる生徒の机に、
花を飾る行為に等しいほど、嫌悪感を感じる行為です。
はい、男性ではなく、男性以外の拍手した乗客共に。
同調圧力に従わない「集団の敵」とみなされることで、人はかくもバカになれるのかということが、理解できるようになるまで、まだまだ時間がかかるのでしょう。
もしかするとずっと気づかないかもしれませんが・・・。
では、男性はどうすればよかったのか?
結論でものべましたし、twitterを見る限り、
男性自身も理解されているようですがあえてまとめておきます。
ずる賢く発言すべきだった
個人的にはもっと男性は「ずる賢く」なるべきだったと思います。
例えば「マスク着用を拒否します」ではなく
「呼吸器系疾患によってマスクをすると呼吸困難になるためつけられない」とすれば
他の方法が提案されたかもしれない。
素直に移動だけでもすればよかった
これは男性の感情や価値観の問題なので悪いと断じる問題ではありません。
ただ移動を拒否することに対しては、移動を強制することに合理性がないものの拒否することにも、意固地になっているわけであり合理性がないと感じます。
移動にあたって、座席指定にかかった費用の弁済、もしくは座席移動にあたって発生する窓から見える景色等が変わることへの精神的な慰謝料の要求有無を要求することもひとつだと思います。
では、ピーチはどうすればよかったのか?
このような大きな問題にならない方法は3つあったと思います。
関西空港着陸まで延々とお願いしつづける
強制的に着用を義務付けられない以上、マスク着用してくださいと、延々とお願いしつづけることで、CAとしての責任は、果たせます。
また男性の言い分を認めてはいませんが、否定することもしていません。
延々と2時間、お願いしつづけているだけですのでww
暴言を吐いた他の乗客と一緒に降機させる
やはり、今回の一連のピーチの対応は、片手落ちと言わざるを得ません。
そもそも、新潟空港に緊急着陸してまで、強制的に降機させるほどのことなのか?CAやクルーはじめ、義憤に燃えて血潮湧きすぎじゃないですか?と思いますが、喧嘩両成敗ということで、最初に男性に対して、暴言を吐いた乗客へも「義憤に燃えて」降機させるべきだったのではないでしょうか。
なぜなら、マスク着用義務を事前に確認しており、着用義務もないのに男性が着用を強制させられ、挙げ句、降機させられるのでは赤穂義士も真っ青のお裁きです。
結論、一体何が問題だったのか?
個人的には、さっぱりわかりません。
ただただ、コロナ禍によって、日本全体に同調圧力が蔓延し
コロナ警察、自粛警察による嫌がらせ行為と、それを許容する社会
すべてが原因なんでしょう。
この暑い中、誰もマスクなんてしたくないのに、多くの国民が
トラブルを避けるために「忖度して」「我慢して」マスクをしています。
「なんで俺は我慢してマスクしてるのに!」
「お前だけしないのはズルい!」
というのが本音のところではないでしょうか。
その気持が、同調圧力になって、このような問題が表面化しただけであり、
各地で起こった県外ナンバーへの10円チョップや、自粛警察による張り紙などと
根っこは同じだと感じています。
小学4~6年の統計からやり直せ
テレビメディアでは連日、「今日の感染者が数百人だ!」という嘘を垂れ流しておりますが、実際の新規の陽性者は、国内で50万分の1程度しかいないというレベルになっており、むしろ「風邪よりショボい」といっても過言ではありません。
そもそも、「感染者数」という表現を厚生労働省は、正式には使っておりません。
基本的に「陽性者数」という表現になっています。
一部、感染者という表現になっていますが、たぶん間違ってるんでしょう。
ほとんどの記載は「検査陽性者」となっています。
つまり、「感染している状態」と「陽性反応がでたこと」は違うのです。
このあたりの説明は、適当にググればいくらでもでてきますし、
厚生労働省のサイトを読めばわかります。
「コロナの第二波が今、まさにくるんだ!」といっているような人は
小学4~6年で習う統計から、義務教育をやり直した方がいい。
と、個人的には思います。