ついに2020年末にFlashが終了することについて

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Flashといえば、今の10代や20代の子たちにとっては
何だそれ?HTML5でいんじゃね?的なものかもしれませんが、
高校から大学、社会人になるころの青年期の思い出はFlashとともにありました。

来年で「初老」になる私は、もはや老害のいち員なのかもしれませんな。

それでは、そんな老害の思い出とともに振り返りたいと思います。

Flash?なにそれおいしいの?

ナニソレ?美味しいの?的な人だけでなく、最近の若いもんは、Flashがかつて、Adobeではなかったことも知らない人も多いでしょう。

え?そうなの?

はい、もともとは、FutureSplash Animatorというソフトでアメリカで開発され、それがMacromedia(マクロメディア)が買収し「Flash」という名前になり、MacromediaのShockwaveシリーズとして、「ShockwaveFlash」として販売されました。

Shock Wave Flash = swf という拡張子になったことはやや有名な話です。

しかしこの頃はまだ日本では一般的ではありませんでしたが
windows98が普及した1999~2000年あたりから某掲示板2chを中心に、爆発的に名作が誕生しました。

中でも個人的にツボったのは「WASABI」

どこでもかんでも「わっさっびーーーーーー!」
と酔っ払ったとき意味不明に叫んでいましたね。

あと、日本ブレイク工業社歌の「うぅ~冷えるぅ~」など

2chの盛り上がりとともに、著作権ナニソレ状態の無法地帯Flashアニメーションから
AA(アスキーアート)動画まで、さまざまなFlash職人が日々、誕生し作品を公開しては祭りになっていました。

あの頃は楽しかったなぁ~。

Adobe買収がキッカケで衰退がはじまる

2005年4月にAdobeに買収され、2007年、FlashがAdobeCS3 proに組み込まれたころから陰りが見え始めてきました。

ブラウザのFlash対応の差異や、クソ高いAdobe製品の抱き合わせスイートに組み込まれたことで、クリエイターが作れなくなったことも要因だと言われています。

別にAdobeが悪かったわけではありませんが、2chで公開されている作品の多くが無断使用の音楽や映像、画像にあふれていたことや、著作権をはじめとした権利を守る動きがネットにも広がったことも大きいといえます。

「恋のマイアヒ」なんかは、Flashの盛り上がりがキッカケで、
日本でブレイクした海外の曲。

ミュージックステーションにアーティストが来日したときは、日陰のイメージだった2chが表舞台に日の目をみた気がするとともに、なぜか寂しい気持ちになったのも覚えています。

決定打はYoutubeとニコニコ動画

動画を無料で公開できるサイトYoutubeの来日と、
派生サイトであるニコニコ動画の誕生は、Flashの盛り上がりに終止符を打ちました。

特に、ニコ動は、動画を見て、コメントをするという行為が動画内で完結し、
動画のコメントしたい部分でコメントを共有できるという画期的な手法は、もう感動ものでした。さらに、chromeがFlashを見られなくしてしまったこともFlashにトドメを指す要因だったのではないでしょうか。

青春とともにあったFlash作品

友人と一緒に笑った「ちょっと聞いてくれよ>>1」シリーズ

彼女と遊んだ「小小」

ネカフェでひたすら何時間もみた「マイアヒ」

「楽しい国語」「開国してくださいよぉ~」「DooRaeMooooN!!」

今のYoutubeで聴くと低音質でも当時は楽しくて楽しくてしょうがなかった。

今の俺があるのもFlashをつくりたいがキッカケ。

Flashをつくりたい。クリエイティブに何かつくってみたい。

そう、キッカケをくれたのもFlashでした。

自分でつくったものが動く。
Webという見知らぬ人がみるメディアにそれを乗せることができる。
動いたものをみて、誰かが感動してくれる。

ネット黎明期。

今では考えられないほど、ゆるいけど、なんだか温かい世界がありました。

Flashがなくなることは、そんなぬるーいネット社会が終わりをつげ、新しい時代に変革したということを象徴するできごとなんだろうと思っています。

今では旧世代となってしまったFlashが、まだに新世代で全盛期だったころをともに歩んだひとりの老害として、少し書き残したいと思います。

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